Y字の路地

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090720
長野駅東口をインター線須坂方向に行った七瀬町の路地です。
駅西側の市街地に出たい時など自転車でよく通るお気に入りの路地ですが、
最近駅東口開発が加速度増してきて
あれよあれよと言う間にどんどん風景が変わっています。
路地の特有のくぐもった匂いと湿気を帯びたひんやりした空気が好きでした。
善光寺の裏手にあった高校に通う道がそうでしたし、
東京の大学生だった頃はお茶のけいこに中野区の先生のお宅に週一度通いましたが、
都会であっても中野通りを一歩入ると木の塀に挟まれた狭い路地でした。
その後長野市に帰って入った会社も長野で一番大きなデパートのすぐ近くでしたが、
路地の長屋を改装して事務所にしていました。
当時の社長は長屋隣のおばあさんに頼まれて
棚板を直したりしてあげていたのを思い出します。

車道を通っていてもピンとこなくてもこうして路地に入るといやおうなしに
五感に現実がつきささるようです。
このY字の先も好みの路地がしばらく続いていたのですが、
今は更地になり整備され建物が建ちつつあります。
「くぐもった匂いのひんやりした空気」の路地に乾いたほこりっぽい空気が入ってしまいました。
興ざめです。
ですが、描いてみたいとずっと思っていたのです。
昨年世田谷美術館での横尾忠則さんの展覧会『冒険王』で、
横尾さんの『Y字路シリーズ』の迫力に感動したのですが、
ここを通るたび「あ、ここもY字路だわ!」なんてひそかに思っていたのです。
この風景自体もいつまで残るかわかりませんが、
ちいさいスケッチながら描けて良かったと自分の中でほっとしています。
<MUSE KENAFPAPER SM(22.8×15.8cm)>

母の日の花篭

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090518
5月10日の母の日に届いた娘からのプレゼント。
ゴールデンウィークに帰って来た時、
「母の日にわざわざお花なんて送らなくていいからね!。」と言い含めたつもりでしたが、
こちらにいるあいだに近所のお花屋さんに頼んでいったようです。
娘の受験中はやはり自分のことより娘のこと、で、入学手続きの、住まい探しのとバタバタ過ぎて、
気がつけばちいさな翼は飛び立ってみごとに空の巣症候群‥ですか?。
いやいやそれ程暇ではないつもりですけど、
娘は何か母親が夢中になれるものに没頭して欲しいとでも思っているのでしょう、
ホームページの絵日記は更新したのか?とそればかりメールや電話で言ってました。
ともかく、さわやかなラベンダーと娘の好きなガーベラ、
可憐なピンクのカランコエ、そしてアイビー。
ひとつひとつはお安いお花達ですが、宿根のたくましさが私は好きです。
娘に電話でお礼を言った午後、すぐにスケッチしました。
時間を作って少しづつ描きましたが、楽しい時間でした。よ
うやく仕上がってやっと狭い籠からそれぞれ出してあげられます。
<アルシュ A3 細目>

宮沢賢治の像

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090517
4月上旬に娘の大学入学式に出席するために岩手県まで行きました。
大学の構内にこの像があることはパンフレット等で知ってはいましたが
入学式の後、農学部の懇親会で敷地内にある資料館を
特別に見せていただけるということで案内されたその脇にひっそりとその像があって、
息を呑みました。
その時はあわただしかったので写真だけ撮り、後日像だけは写真をみながら描き、
まわりはなんとなくその時の印象で色をつけてみました。
ちなみに宮沢寛治さんの顔はこんなボーっとした感じではなく、
素朴で優しくたくましい良いお顔をされてます、念のため‥。
ここでこの像に見守られて6年間過すのだなあと改めて思いながら描いたわけです。
<MUSE KENAFPAPER SM(22.8×15.8cm)

一輪

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昨年末、2年前に植えたさざんか(たぶん‥)の細い枝にようやく蕾が付き、
ある暖かい日に一輪だけひらきました。
「あぁ、こぉんな色のお花が付くんだ~~」と感動して、
ため息まじりに息をひそめてスケッチしました。
090426

白のようなピンクのようなグラデーションが、柔らかそうで
本当に小さな天使が降り立ったかのようでした。
それが、その後急に寒くなったりで、数個付いていたと思った蕾は
茶色くなって落ちてしまいました。

年が明ければ娘の2度目のセンター試験があるわけで、
なんともその後筆を持つ気になれませんでした。
3月9日に娘が志望校合格を果たし、ようやく描き上げる気分になれました。
しばらく埃をかぶせちゃって、本当にごめんね。

<アルシュ A4 荒目>

似顔絵を頼まれる

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090409

最近、鷹司誓玉善光寺お上人の自伝『流れのままに』を
聞き書きしたライターの友人から夜電話があり、
今度某新聞社にコラムを書くのだけれど作者紹介の写真も堅苦しいので、
超簡単でいいので、似てなくていいので、何でもいいので、
似顔絵的なものを描いてくれないかと頼まれました。
彼女はその翌日タイに、次書く本の取材で出かけてしまうということで
既に気分は彼の地に飛んでいて上機嫌だし、
私もそういった類は仕事としてしたことがないので
当然お金のからむ依頼ではないと察して、
友達として機嫌よく協力することにしました。
写真を見ながら筆ペンでササっと描けるだろう、のつもりが、
困った!最近の写真がない‥、
あったのは一緒に山登りをした時の帽子を目深にかぶっているものや
下向いてるもので全然参考にならず、かなり焦りました。
子供の大学入学式のために私も盛岡に行かなくてはならないという
その前日のことでしたので。

でも16歳からの長いつきあい、
“あの子の特徴は‥、頬骨がはっきりしてるんだよねぇ~、で、
いつも小首をかしげて人の深層心理をみやぶる目つきで見るんだよ~、
で、唇は一番の特徴、真一文字で口角ははっきりピリオド、
「なぜそう思うの?」「おかしくない?」「‥わからない。」
これで何度返答に窮しパニックになったことか‥、
そう、この薄い唇から淡々と言葉が出るんだよねぇ~‥”
ぶつぶつつぶやきながら描いていると何となく彼女になった気がしました。
ですが私としては愛情たっぷりのつもりが、一般的には好感がもたれなかったようで、
後日まじまじ眺めてやはり線で描くと年齢が強調されてきれいに見えないことに気づき、
少し色味をつけて線を消してみました。
雰囲気が近づいてきたと思うのですケド‥、なかなか難しいものですね。

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