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キッチンに野菜果物をゴロゴロと置いてみました、
すべて偽物ですけど‥。
手前からジャガイモ、ミカン。これ娘が中学生の頃、美術の授業で作ったもの。
その奥いちじく、ガチャポンでゲットしたにせもの~。
で、一目で「つくりもの」のカボチャ。

これは日曜日に、女子美同窓会長野県支部のワークショップで
「臨床美術」の体験として私が作ったものです。

同窓生の篠原佳代さんがこの臨床美術士の資格を持っていて、講師をしてくれました。
講師の説明によると
「独自のアートプログラムに沿った創作活動を通じて、認知症の症状改善を目的として
開発されました。臨床美術士が一人ひとり参加者にそった働きかけをすることで、
その人の意欲と潜在能力を引き出していきます。」というもの、ざっと要約。
美術とは無縁の友人も誘って、上田市のサントミューゼ美術館の第一会議室にて
午前中2時間、テーマを変えて午後2時間、体験してきました。

この会場を選んでおさえてくれた事務局の方に感謝。
私はこの美術館自体初めて入りましたが
個別に使用できる「会議室」が円弧をえがく建物の廊下と中庭の間に点在する形で、
とても良かった。
開放的であり外とつながりながら、しっかり閉ざされて集中できる空間でした。

話があっちゃこっちゃになってますが、
新聞紙でカボチャを作るというテーマで、
実際のカボチャを一人ひとつ持ち、触ったりたたいたり、匂いを嗅いだり、
放り投げて重さを感じたり、
事務局小林さんが食べられるようにしてきてくれたものを、食べて味わったり、
をしながら、講師の篠原さんに言われるまま
新聞紙丸めて紙テープでとめて、その上に和紙をちぎったものを
「やまとのり」たっぷりつけながら貼り付けました。
たぶんどの人にも難しい作業はありません。
小学生の男の子達も来ていましたが、皆それぞれに、すばらしくおいしそうなカボチャになって、
びっくりしながら大喜び。

この「臨床美術」とは、作品として良いとか、下手とか上手いとかは一切関係ありません。
逆に評価のようなことは、してはいけないこと、
講師は良いところを見つけて褒める、ということでした。
私も中学の頃の夢は「そんな美術の先生になりたい‥」でしたので、
うれしくなってしまいました。
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ヤヤッ!これはなんだ?なにものだ?、食えるのか?、食っていいのか?。
by ノブユキ(犬)
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やまとのりが乾いてなかったので、その匂いがしたのでしょうね、
今はパリッパリに乾いて持つとすっごく軽いです。

そして午後はメンバーも入れ替わり
「オイルパステルを使ってさつまいもを描く」ことをしました。

まずオイルパステルになれるために
講師の篠原さんが実際に描いてみせながら「さっきお昼ご飯食べたときの気持ち」
をどんどん描いてみましょうと。
出来上がると抽象画のようにも見えます。
「ぜひおうちで飾ってみてください。」と言われたので、
キッチンの窓近くに置いてた額に入れてみました。
自分、抽象画など描けるはずがないと確信に近く思い込んでましたが、
「あっら~、いいんじゃないのぉ?。」で、気分もさわやかな朝となりました。
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で、本題のおいもさん。
濃いグレーの「馬糞紙」というざらざらした風合いの紙に、
まずオイルパステル16色から中身の色を自由に2色選んで色を塗り、
その後3色選んで外側の色を塗りました。
講師がやってみせて、我々はただ言われたように
五感を働かせて、芋をなでたり匂いを嗅いだり食べたりして、
思ったように色を塗るのみです。
そして芋の形に好きに切り抜いて、好きな色の紙に自由に配置(デザイン)しました。
サインを入れて完成。
皆、選んだ色はバラバラで、形もまちまちなのに、出来上がった絵はまさしく「さつまいも」!。
それぞれの、おいしそうな「さつまいも」の絵ができてました~。
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この「臨床美術」は認知症対策だけでなく、たくさんの可能性があると思います。
私も、美術で社会の役にたてることができればいいなあと考える今日この頃です。