アーカイブ

2010年04月

トラックの塗装デザイン

カテゴリ:
去年の暮れだったと思うのですが、携帯電話に某設計事務所の先生からお電話がありました。
「仕事頼みたいんだけど、実は建築パースじゃないんだ‥。」ということで話を聞くと
その先生が社屋のリニューアルで関わっている会社の社長さんが
業務トラックの塗装色について悩んでいるので相談にのってあげてほしい、
そして問題を解決する提案(デザイン)をしてもらいたい、とのことでした。

建築物では外装の色を決めるとき何パターンかをパースで検討することはよくあることですし、
色に関してはたぶん自分は適任であるという自負もあり、
企業の広報室にいた20代のころ、広報用の大型トラックをデザインしたこともあります。
これは受けるしかないでしょうと早速その会社に伺いました。
社長さんは女性でちょうど私の姉くらいのお歳の方で、副社長の弟さんと
創業者である先代の跡を引き継がれたそうです。
長野市を拠点に県下の資源回収をしている会社です。
問題は社長さんが新車両を購入する際、担当の社員の方に
「いままでの車体の色が暗すぎるように思うから
今度の車両はもうすこし明るくできない?」と言ったことから始まり、
それがどんどん人を介して社長さんの意向とは全く違う産物となり、
新車のたび「そうじゃなくて、、」とか「金色のラインはやめて、、」とか言っているうちに
ますます頭痛の種になっていったということでした。

一番の関心は車体の色に関してでしたが、どうやってその「色」を見つけたらよいかと
会社の車庫には何度も足を運び、資料を作ってお持ちし、何度か社長さんとお話しているうちに、
社長さんとしては、元の色に戻すだけでも実はいいと思っている、
けれど自分の言うことがどうしても伝わらないことに不安がある、
どうしてああいう色になってしまったのか、塗装工場に行って一緒に話を聞いてほしい、
と思っておられる事がわかりました。
2月末、二人でトラックの塗装工場を訪ねました。
やはり“Face to Face” ってことですね、
実にうまくお互いの思いが伝わり聞きたいことが聞けました。
塗装工場の社長(とっても気のいい親父さん)が後日サンプルとして、
なんと空のペンキの一斗缶を塗ったものを持ってきてくれました。
その時の打ち合わせでよくよく理解して下さったとみえてぴったりの色で、
社長さんも気に入ったようでした。あとは私の判断です。
その色が実際おおきなトラックに塗られた時どうだろうか、
晴れの日・曇りの日どうだろうか、あと、この色を基調色にして
今現在、1台1台思い思いに入っている黄色のラインをどう入れるか。
またそれを含めて社名・マーク・許可番号等の必要記載項目を
どう標準化して入れるか等の検討をしなければなりません。

しばらくの間その一斗缶と行動を共にして、挙句の果てには紙にトラックの写真を印刷し、
塗装部分を切り抜いてその一斗缶に側面と正面をはりつけました。
これは我ながらなかなか良いアイデアだと思ったのですが、
本当にすごく説得力があり社長さんは大喜びでした。
その一斗缶の写真を撮り忘れたのが残念です。
100420
写真は提出したデザイン画の一部です。
建築パースで使う3Dソフトを使ってデザインを検討しました。
黄色いラインや金色の縁取りライン、そして宝船のマーク、
それらには先代のこだわりが現れていることを副社長さんや社員の方からお聞きして、今はどんどん一人歩きをしてまるでタイガーマスクのようになってしまった黄色のラインをどう扱うか悩みましたが、
金色縁取りの黄色ラインをやめ、
黄色みの強い金色を1本だけ円弧を描くラインで入れることを提案しました。
結果、副社長さんが「デザインを変えるって言ってたけど、
まあほとんど変わってないからこれならいいかな。」と。
私は心の中でガッツポーズ
「やった!」。
違和感なく洗練されたデザインに変える事ができたと思います。

菜花

カテゴリ:
100405
先週行った上越で、帰りがけに先輩からいただきました。
食用の青菜で名前は『オータムポエム』というのだそうです。
オータム?どう見ても春の菜の花でしょう??。
先輩のパートナー氏によるとどうも菜の花というより茎がアスパラっぽい味わいだとか。
「へえ~、どんなお味なんだろう!」と楽しみに帰ってきたわけですが、
ためつすがめつ眺めてもどうしても菜の花にしか見えず、
そうだ!と2・3本、花の咲きそうなのを選んで花瓶にさしておきました。
それで安心して残りを湯がいて食することにしました。
お味はやはり菜の花独特のあのちょっとした苦味とか香りがまったくなく、
食感はアスパラガスという感じよりはシャキシャキした歯ごたえでした。
味はあっさりしていて、芥子醤油あえより
おかかポン酢のほうが私は好みでしたね。

週末になるといい感じに花が開いてきました。
なんであれまあアブラナ科のものなのでしょう、花はまさに菜の花です。
私は昔から菜の花が大好きで、
学生時代は春になると狭いアパートの部屋に菜の花を飾って眺めていたくらいです。
日曜日、鉛筆の下書きはほんの少しにして色を入れてみました。
花部分の立体感や透明感が出てませんが、
「お花はらくちーん、黄色の点てーん♪」で描いたのがまずかったようです‥。

<COTMANスケッチブック F4>

カタクリ

カテゴリ:
100401
先週は雪が降ったり天気が荒れ気温も上がらず寒かったので、
上越に居を移した先輩を訪ねると言いつつ日延べをし、
ようやく少しだけ気温が上がった木曜日に高速で約1時間、
中郷で降りて「道の駅あらい」で落ち合いました。
なぜ「道の駅あらい」かというと、その近くにカタクリが咲いている処があって、
私が「是非カタクリを見たい、スケッチしたい」とリクエストしたからです。
ちなみに私は長野に縁のある先輩ご夫婦のご要望にお応えして、
出来立て「つるや」の酒饅頭をお届けしました。
喜んでいただけて本当に良かったです。

寒くはなかったですが、今にも泣き出しそうな空模様でした。
久しぶりに会う先輩でおしゃべりが楽しくて
スケッチしているのか笑っているのかの状態でした。
が、先輩夫婦はすでにこの場所でスケッチしたことがあるし、
いつもご夫婦でスケッチに歩いているので手馴れたものです。
二人とも雨がぽつぽつ降り始めた3~40分後には
小さなスケッチブックに描きあがってました。
降りだした雨がまるでスパッタリング効果です。
私はというと、時間がないだろうからと考えてサインペンで形をスケッチしました。
ほんの少し色をつけたところで雨になって、、、いち早くしまい出したのは私です‥。
あとで先輩夫婦に見せたら「きれいな色だ」と言われてすっかり気をよくして、
日曜日にふわふわ落ち葉が積もった地面を描き足しました。
カタクリは写真などでは花弁をすぼめて上を向いていますが、
天気が悪いとか朝のうちはこうして下を向いているそうですね。
まだ時期にはほんの少し早く、群生とまではいきませんでしたが、
ひたすら可憐なお花に気持ちが洗われるようでした。

<F2スケッチブック>

このページのトップヘ

見出し画像
×