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2010年11月

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カテゴリ:
101111
1月ももう12日。
今年の紅葉は目に鮮やかとはいかないようですが
私は結構好きな色合いの微妙なグラデーションです。
昔から身につけるものや絵などでも彩度の高い派手な色合いが苦手でした。
じわーと味わいのある日本の古代色のような色が好きで好きで、
今ふと思ったのですがつまり彩度が低めの色が好みってことですか。
けれど仕事のパースは「明るく楽しく」を基本鉄則としています。
その上で「雰囲気のある」ものにしたいと考えています。

さて本日の絵は実は仕事で描いたものですが、
通常建築パースの仕事は設計事務所やゼネコンなどから受けますが、
一般の、家庭の奥様から直接お受けしたものです。
このお宅は建って何年か経ってますが、既存の建物が周囲にあるため全貌を見ることが不可能なわけです。
写真ではどう工夫しても奥様の望みの角度からの姿を撮れないと。
ならば絵に描いたら?ということで、私にお話が来ました。
この家を建てるにあたり奥様の要望をまとめあげた建築家の先生や
施工した現場担当の方の努力に敬意を感じつつ、設計図面から下図を起こしました。
お宅の中も見せていただきましたが、インテリア小物にこだわる、、、なんていう範疇ではない、
階段手摺ひとつとっても鋳鉄製のオーダーという半端ではないこだわりの内装でした。
で、たくさんの絵画が飾られており、奥様は大変におきれいで華やかに明るく
とても実年齢を感じさせない方でしたが、どういう絵がお好きなのかはいまひとつ掴みかねました。
ただ「この位の額に入れて、、」と言ってらしたので
飾って見栄えがした方がいいかなと着彩しながら考えました。
俳優の榎木孝明さんの水彩画のようなタッチでと確か聞いた気がしましたが、
それはちょっと勘弁してもらおうと自分のイメージで進めて
ようやく仕上げてお持ちしたところ、壁の色はグリーンかかったほどんどグレーであると、
そこを直せますか?と言われました。
水彩なのでそれはなかなか難しく、
なにより全体の雰囲気がなにがなにやら「ぐっしゃ」になるのは見え見えです。
「この家のイメージは“シック”なの。」そういうわけで描き直しをお約束してお蔵入りになった絵です。

ガーデンライト、噴水、門扉‥、、絵に入れて欲しいとのご要望があったので
そういった小物をちまちま描きいれることに集中してましたが、
ならばとひらめいて掃きだし窓の向こうにのそのそ歩いて出てきた猫ちゃんのシルエット入れたりして、、。
ひとりよがりも甚だしかったということです。。。
1111-2
<アルシュ荒目 F10>

石榴(ざくろ)と新聞紙

カテゴリ:
101104
先日友人から石榴の苗木を貰いました。
庭先に植えてあった木が大きくなって種が落ちたかで何本も出てきたので
良かったら1本持って行ってくれと。
以前は石榴の、なんというか藪藪した姿があまり好みではなかったのですが、
友人の庭先の、特にこの時期真っ赤な実と濃い緑色の葉がいい感じだなぁと思うようになって
喜んで貰って来ました。
その時「採ったのがあるから」と熟した実も「おいしいよ」と渡してくれたのですが、
その真紅ともいうべき色に「描く物」としか思えないくらい魅きつけられました。
ので、あっというまに描きました。
下に置いた新聞は朝日新聞の週1回別刷りの『GLOBE』。
英字新聞はそれだけで絵になるしラッピングに使ってもしゃれた雰囲気になりますが
日本の新聞紙は全くダメです。
新聞紙でくるんでプレゼントになどしたらそれこそ人格疑われそうです。
私が高校生の時に(当時もかなりめづらしかったですが)、お弁当を新聞紙に包んで持ってくる子がいました。
お昼はその新聞を読みながらお弁当を食べる訳で、合理的でいいなあと思ったのですが
私にはそれをやる勇気はありませんでした。
それ程新聞紙はやぼったかったんですよね。
遠い昔、大学での専攻がエディトリアル・デザインすなわち編集デザインと言うか
活字媒体に関わる美しいデザインを追求していました。
ので、本にしろ雑誌にしろまたその中の1ページにしろ広告にしろ、
とにかくその「デザイン」に、習性としてすごく関心を持ってしまいます。
この『GLOBE』は日本の新聞が切り捨てている文字や文字組みの美しさを
はっきり意識してお金をかけて作っている、と一目見た時からわかりました。
心の中で拍手を送り続けています。
日本の新聞紙でも絵になります、でしょう?、、か?‥。
<アルシュ細目 A3>

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